子供の話



小さいころから僕の周りには、沢山の生き物がいました。
ユニコーンにドラゴン、他にも沢山
御伽噺に出てくる生き物ばかりでした。
僕は其の生き物に触ることが出来たし
一緒に遊ぶ事も、叱ったり褒めたりすることも出来たので
最初は御伽噺も御伽噺とは知りませんでした。


でも、ある日僕は、入っちゃいけないといわれていた部屋の、いつも閉じきっているカーテンを開けてしまいました。

そこにはドア。
吃驚して、不思議に思って、僕は友達のお兄さんに言って
こっそりと鍵を開けてもらって
中に入ってみたのです。

更にあったカーテンを開け、見た薄暗いその部屋の中では


沢山の機械に囲まれて
今まさに、僕のためなのだろう、見たこともない生き物達が大きな瓶のようなものに入っていました。



大人は嘘つきなんだと思いました。


僕が其の中に入ってしまったことが親に知れた途端
僕はその生き物達から引き離されて
もう、外で遊ぶ事も
叱ったり褒めたりすることも出来ずに
『学問』を叩き込まれました。
なんでだろうかと考える暇もなく。

そんな中、こんな事をふと思いました。




不自由な中親に好きなように教育される僕は
もしかしたら
あの、造りかけの生き物達と同じなのかもしれないと。
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